한국사랑 올히의 일본생활

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読書記録:朝鮮雑job史 _ 士農工'商'

[58] 염상(塩商)...

塩を生産する場所を염소(塩所)、염장(塩場)、염전(塩田)といい、生産者を염한(塩漢)、염간 (塩干)、염정(塩丁)、염부(塩夫)という。官庁に属する염부は염장관の管理下で塩を生産し、その販売収入で生活した。民間業者も比較的自由に塩を生産した。このように生産された塩を消費所に運送し、販売する人を염상(塩商)と言った。生計を立てるのが難しい貧民が大部分だった염상は、わずかな元手で塩を買って背負って売り歩いた。


[59] 집주름…

朝鮮時代には不動産仲介業者を집주름(가쾌(家儈)、사쾌(舎儈))と呼んだ。


[60] 차부(車夫)…

朝鮮時代に牛馬車を手段とする運送業は都市中心に形成され、ここに従事する運送業者を차부(車夫)と言った。


[61] 세마꾼…

세마(貰馬)とは借りる馬のことを指す。名門宗家でも馬を借りる際にお金が足りなくて「근이」という親戚の世話になった。

当時、馬は奴婢よりも高かった。奴婢一人を綿布150反ほどで売買したが、馬はその3倍に達する400~500反で買うことができた。馬に餌をあげて、管理する費用もかかるので、馬を所有しようとすると多大な費用を支払わなければならない。これにより、馬が必要な人々に貸すサービスが生まれた。彼らを세마꾼または세마부と呼んだ。現在のレンタカーやタクシー、宅配のような役割をするので、朝鮮版総合運輸事業家と言えるだろう。

救急の患者は세마に乗せて医院に送ったので、救急車の役割まで担った。国で使用する역마(駅馬)が不足したり、北京に使臣を送る場合、세마꾼に馬を借りた。


[62] 세책점주(貰冊店主)…

세책점주(貰冊店主)は本を貸して貸与料を貰う세책(貰冊)を生業とする人だ。

目録を持って外販する책쾌(冊)と異なり、세책점주はきれいに筆写した小説本を取り揃えて、お客さんを待った。読者を魅了する作品を選んで具備しなければならないので、세책점주は作品の価値を見分ける眼識と流行を読む感覚が必要だった。一冊の作品を何巻かに分けて筆写し、決定的な場面で次の巻に持ち越し、読者が引き続き借るようにした。세책점주は出版企画者であり編集者だった。


[63] 책쾌(冊儈)…

書店がなかった頃、本を책쾌(冊儈)を通して取引きした。책쾌は本の販売者と購買者を繋げる仲介人で、서쾌(書儈)、책 거간꾼とも呼ばれた。貧しかったり、権勢を無くし廃れていく家柄から流れ出てくる本を相場の半額で買い入れ、それ相応の価格で転売し、利益を得た。

本は、顧客の家を探し回りながら、サンプルになるような何冊かの本と目録を見せて買ってくれ、あるいは保有する本を売ってくれと勧誘する方式で取引きした。顧客が望む本なら、珍しい本や禁書でも手に入れられる情報力が必要で、どうせなら多くの本を持って歩き回らなければならなかった。

 

[64] 조선의 우체부...

朝鮮時代に手紙は遠くに住む人と近況をやり取りする唯一の手段だった。郵便局がなかった当時、手紙は인편(人づて)に伝えるしかなかった。行き来する人に手紙をお願いする方式だった。行き来する人がいない時は、手紙を書いておいて待っておき、タイミング良く日程が合う人が見つかれば、たまっていた返事をいっぺんに書いて送った。

人づてとは違い、労賃を貰って日程を合わせ、手紙を伝達する専門配達人もいた。彼らを전인(専人)、전족(専足)、전팽이と呼んだ。전인は労賃を貰って、手紙を受取人に正確に伝達することを仕事とした。民間で전인が活躍したなら、宮中では글월비자を置いた。글월비자は색장나인(色掌内人:給仕する宮女)のもとで使いをした。重要任務のうちの一つは、民間人の身分の전인が出入りしづらい宮殿の内外に手紙を伝達する仕事だった。彼らは服色を合わせて、腰に黒い帯を締め、身分を示した。


[65] 짚신 재벌…

材料費はかからない。藁、ワングル、浅布、ガマ、甚だしくは紙くずに至るまで、材料はありふれていた。腕前の良い人が作ったわらじなら、3、4ヶ月、履くことができた。普通のわらじは使い捨てと変わりなかった。

わらじ編みは朝鮮時代に最も人気のある副業だった。農業をする人々も農閑期や天候が悪い時は、家でわらじを編んだ。やることがなくて、部屋の中で休んでいても、手は休めることなく、まじめにわらじを編んだ。僧侶たちも秋と冬には、わらじを編んで生計を立てた。資本と技術がなくても、まじめに働きさえすれば、生活することができたし、さらにまじめに働けば、金持ちになることもできた。


[66] 보부상…

朝鮮時代にあちこちさすらい物を売って生きていた人たちがいた。보부상だ。보부상は봇짐장수(行商人)보상(褓商)と、등짐장수(背負い行商)부상(負商)を合わせた言葉だ。보상は絹、金銀で作った細工品、필목(反をなしている木綿)、皮革製品のような高級品を風呂敷に包んで歩き回り、부상は魚、塩、木製品、土器など、比較的廉価で体積が多い物を背負子を担いで歩き回った。道路が発達しておらず、商品の流通が難しかった時代に必ず必要な人々だった。


[67] 나무꾼…

木こり。

 

 

 

 

 

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読書記録:朝鮮雑job史 _ 朝鮮の専門職

㊽숙사(塾師)…

勉強以外はできない선비(学識はあるが官職につかなかった人)が選択できる職業は多くなかった。家さえない貧しい선비は、住み込みの家庭教師として他人の家に居候して、子どもたちを教えた。숙사(塾師)とも呼ばれた。

숙사という職が好きでやる人はいない。食うや食わずのソンビが糊口をしのごう選択する職業だった。彼らに寝食を提供して、幼い子息の教育を任せた。

숙사の目標は学生が字を覚えて科挙に合格することだ。学生が科挙に合格すると숙사との縁も切れる。学生たちは著名な官僚や学者には一度しか会っていなくても師として崇めるが、何年も自分を教えてくれた숙사は師匠と思わなかった。


㊾돗자리 짜는 노인…

朝鮮時代、선비の終着地は、わらじ編みかござ編みだった。元手も技術も必要なく、少し慣れれば誰でもできるので、農業をする百姓はもちろん、寺院の僧侶も監獄の囚人も皆、ござを編んで生計を維持した。科挙を受けられない선비もござを編んだ。

専門的にござを編む匠人は、인장(茵匠)、석장(席匠)と呼ばれた。


㊿산원(算員)…

朝鮮は建国当初、租税制度を整備すると同時に土地を新しく測量した。ここに各種面積計算法や単位換算に秀でた산학(算学)、即ち数学専門家が動員された。算学を土台に租税を含め、国家会計と測量業務を担当した専門家を산원(算員)と呼んだ。朝鮮時代の国家財政と会計は戸曹で担当した。算員は戸曹に配属され、複雑な計算を引き受けた。

算員は、算学取才(才能を試して登用すること)を通して選抜した。算員を選抜する試験問題は『오조산경(五曹算経)』、『상명산법(鮮明算法)』、『양휘산법(揚輝算法)』、『산학계몽(算学啓蒙)』などの中国で出版された산서(算書)から出題された。これらの数学書籍は実務に必要な測量法や度量換算法をはじめとし、幾何学平方根、10次方程式など、高度数学も網羅した。実務レベルで会計を担当した算員は数学を研究する専門数学者であることもあった。


[51] 역관(訳官)…

역관(訳官)は使臣を補佐しながら、通訳をはじめとして、現地官吏と接触するさまざまな実務を担った。問題は、彼らに定期的な給料や道を行き来するのに必要な経費が全く支給されないということだった。そのため、国からは一人が背負って歩き回れるぐらいの分量の인삼(高麗人参)8자루(袋)、約80근(斤)を取引する権利を付与したのだが、これが팔포제(八包制)の始まりだった。

사역원(司訳院)に所属する訳官は600銘を超えたが、中国や日本に行く行列について行くような実務を遂行できた人員は70数名に過ぎなかった。訳官たちは인삼をや中国や日本に持っていき、高い価格で売り、両班たちが必要とする書籍や絹などの贅沢品を国内に持ち込み、転売する仲介貿易で大きな富を得た。誤字が少ない良い版本の本や手に入りにくい中国書籍は訳官に頼むしかなかった。特に、中国絹は娘の結婚になくてはならない物であり、田舎や山あいに住む者さえも、絹の服を一着ずつ持っているほどだった。このような取引に勝利した訳官は、大金持ちになり、代々訳官を輩出した。

 

[52] 서수(書手)…

朝鮮時代には字を代わりに書いてくれる専門家がいた。彼らを서수(書手)と呼んだ。高麗時代の官職のうち、서인(庶人)が主に担当する分野のうちの一つである。当初、서수は官庁に属する低い官職から出発した。

『영조실록(英宗実録)』に이제동(李濟東)という人物が신씨の家で10年以上、서수の職についていたという内容があり、심노숭の『자저실기』にも정현죄(鄭顯佐)が심노숭兄弟の全ての科挙試験の答案用紙と原稿を筆写したという記録がある。このように18世紀後半を前後に、서수たちは流麗な字体を武器に民間分野で専門家集団を形成していった。

それでは、彼らが主に筆写した資料は何だったのか?허균の『성소부부고』に載せられた「병오기행(丙午紀行)」には、서수がいなかったら朝鮮の詩を速く筆写できなかったという内容が登場するので、서수が筆写する資料に文学が含まれていたことが分かる。18世紀、漢陽の세책가(貰冊家)で扱われたハングル小説もまた専門筆写者によって筆写されたと伝えられる。

서수が最も活発に活動した場所は科挙試験現場だった。거벽が作成した答案用紙を綺麗に筆写してくれる서수とワンチームで試験を受けた。이익が科挙試験の答案用紙を自ら作成する人は10%にも満たなかったと批判していることから、このような雰囲気は当時かなり一般的な現象だったことがわかる。答案用紙を綺麗な字で可能な限り速く作成し、提出することが合格に有利だったので、서수の役割はとても重要だった。

その他にも、戸籍などの官庁に提出する公文書の作成や筆写も서수が担当していた。作文が不可能な人々の文書を代わりに書いてあげたりもしたが、素晴らしい字体が必要な人のために手数料をもらって筆写することもあった。

このように、사대부가(士大夫家)の各種記録物、文学作品をはじめとして、消費商品としての古典小説、科挙試験答案用紙、各種公文書などの筆写や作成を中心に市場が形成され、字を美しく書ける能力が職業に繋がった。

 

[53] 오작인(仵作人)…

朝鮮時代に殺人が起きると고을(村)の사또(地方長官)が검시관(検死官:死体を調査する官吏)を担った。사또が直接検死を進行するのではない。検死は変死体を触る険しい仕事であり、死体の傷痕を判読する法医学知識がないからだ。変死体をきれいに手入れし、検死を担当する専門家は別にいた。오직인(仵作人)、오작사령(仵作使令)と呼ばれた。오직인は法医学書を根拠にし、사인(死因)を調べた。


[54] 외지부(外知部)…

民間で活躍した法律専門家。外知部という名称は高麗の도관지부(都官知部)に由来した。都官は法律を管掌する형부(刑部)所属の官庁、知部は判決を担う従3品官吏をいう。外知部は都官の外の民間で知部の役割をする者を意味する。訴状を代わりに書いてやり、訴訟を諮問した外知部は、最近の言葉で言えば야매 변호사(ニセ弁護士)だ。


[55] 겸인(傔人)…

朝鮮の執事。겸인は청지기(廳直-)または소사(小史), 통인(通引)とも呼ばれた。奴婢でもなく子息でもないのに、主人に影のようについて行き仕えた。中人の身分で奴婢がする雑役はしなかったであろうが、あらゆる細々とした身の回りの世話を引き受けた。主人の食事や着る物を準備するのは基本であり、冠婚葬祭をはじめとする家の行事を手伝った。事務補助や文書作成にも達者だった。家の事情を知り尽くしていて、外の情報を入手するのも早かった。月給はもらっていないが、官庁に就職させてもらえたので、文句が出なかった。また、겸인は、官庁に就職した後も主人に官庁で得た重要な情報を伝えたり、不正な方法で得た利得を上納した。主人の権力がなくなれば、苦労して手に入れた働き口もなくなるからだ。


[56] 판수…

朝鮮の人々は、盲人が視覚を失った代わりに、一般人には見えない未来を見えて、聞こえない音が聞こえると考えていた。視覚の代わりに神が非凡な能力を携えたと信じ、朝鮮の朝廷は、才能のある盲人を選んでピッタリな仕事を与えた。秀でた能力による選抜から漏れた視覚障がい者は판수として生計を立てた。

판수は民間で活動する読経と占術の専門家だった。판수は무당のようにきらびやかな身振りはできなかったが、代わりに、聞く者が舌を巻くほどの速い速度で経典を一文字も間違えずに正確に暗唱した。高い集中力と訓練が必要であり、판수は徹底した修練を経たのち、師匠と弟子がともに活動した。


[57] 응사(鷹師)…

鷹を利用して狩りをする鷹狩師を응사(鷹師)と呼んだ。

 

 

 

 


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読書記録:朝鮮雑job史 _ 不法と合法の間

㊴표낭도(剽囊者)…

スリ。朝鮮時代にも人々がたくさん集まる市場でスリが横行していた。素早く袋(ポケット)の中の物を盗む彼らを速いという意味の剽の字を使って표낭자(剽囊者)または표낭도(剽囊盗)と呼ばれた。


㊵매품팔이…

お金を貰って곤장(罪人の尻や大腿部を叩く長さ1.7メートルの木の棒)に打たれること。朝鮮時代の法によると、곤장100回は7両の罰金で代納できるので、労金が7両を超えて매품팔이を雇用する理由はない。また、곤장を打つ回数は決まっているが叩く強さは叩く人の裁量に任されるので、刑吏に賄賂を渡して、優しく叩かせたという記録も数えきれないほどある。


㊶거벽(巨擘)…

巨擘は科挙試験の答案用紙を代わりに作成してあげる一種の替え玉受験専門家だ。유모(乳母)という隠語で呼ばれたりもした。이옥が書いた「유광억전(柳光億伝)」の主人公である영남の巨擘・유광억は、金持ちの息子の科挙試験の答案用紙を代わりに作成し、合格させて大金を稼いでいた。


㊷조방꾼…

조방(助房)とは妓生の日程と収入を管理する職業であり、妓生のマネージメントを担当していた。妓生と客を繋ぐ役割。妓生の夫を意味する기부(妓夫)とも呼ばれていた。


㊸식리인(殖利人)…

朝鮮の街金業者。朝鮮時代、貸出事業が大変盛行する国だった。朝鮮時代初期から米や絹で貸出事業用のファンドである대금(貸金)を造成し、18世紀からは貨幣がその座を代わった。貸出資金造成行為を입본(立本)といって、貸出事業は급채(給債)、방채(放債)、홍리(興利)、식리(殖利)といったが、식리が最も一般的に使われた。貸出利子を이식(利息)と言って、50%を超える高金利を장리(長利)と呼んだ。貸出事業者の公私により、공채(公債)と사채(私債)に区分され、該当分野専門家を홍리인(興利人)または식리인(殖利人)と呼んだ。


㊹안화상…

偽物(コピー商品)販売者、商人。偽物商人の標的は珍しい薬剤や骨董品で、最も甚だしいものは인삼(高麗人参)だった。


㊺편사(騙詐)…

繰り返し、意図的に他人を騙して、各種の利益を得る人を詐欺師というが、朝鮮時代には편사(騙詐)と呼ばれた。


㊻도주자(盗鋳者)…

偽造貨幣製作業者。


㊼대립군(代立軍)…

労賃を貰って軍役を代わりにする人を대립(代立)または代立軍と呼んだ。代立軍は労賃を貰って代わりに軍隊に行くアルバイトだった。代立軍を国が直接雇用することもあった。

 

 

 

 

 

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読書記録:朝鮮雑job史 _ 技術者たち

㉚화장(花匠)…

造花をつくる匠人。

 

㉛가체장(加髢匠)…

가체(加髢、가발、かつら)を作る匠人。人工毛が発明される前なので、人毛を使って作られた。人毛は、囚人や僧侶、髷を結う男性(髷を結うために頭のてっぺんの毛を刈った)の髪を使った。男性の髪を使って女性の가체を作ったが、가체장はいろいろな薬品を作って、さまざまな髪質を均一にし、가체を作った。

가체を禁止する法文が漢字だけでなくハングルで出されるほど、貴賤関係なく流行していた。

가체は各種の가체を具備する체괄전(髢髺廛)という専門店で売った。また、여쾌(女儈:仲買人)や수모(首母:婚礼時に新婦の身支度を手伝う美容師)が直接持ち運んで訪問販売もした。

 

㉜마경장(磨鏡匠)…

朝鮮時代後期まで、鏡は今のような硝子の鏡ではなく、青銅や白銅で作られた金属鏡だった。金属鏡は汗をはじめとする湿気で脆弱し、簡単に錆びついた。鏡本来の輝きを甦らせるため、마경장が鏡を磨いた。

 

㉝궁인(弓人)…

弓を作る人。弓を作る人と矢を作る시인(矢人)は、他の匠人よりも高い待遇を受け、장(匠)ではなく’인(人)‘と呼ばれた。

世宗の時代、내궁방(内弓房)を設置し、40名の弓人を起き、その他にソウルと地方に総勢500名を超える弓人が弓を作った。

 

㉞사기장(沙器匠)…

陶磁器を作る匠人。陶工とも呼ばれるが、これは日本的な表現。사기장は、高度な技術が必要とされるため、代々引き継ぐように、法で世襲を強制されていた。別の理由としては、辛い仕事なので逃げ出す者が多かったからだ。

사기장は、京畿道廣州の분원(分院)に集められ、器を作った。변수(邊首)の責任のもと、조기장(造器匠)が土で器の形を作ると、마조장 (磨造匠)が手入れをし、건화장(乾火匠)が乾燥した。この他に、土をきれいにこす수비장(水飛匠)、かまどに火を焚く화장(火匠)、温度を管理する감화장(監火匠)、絵を描く화청장(画青匠)がおり、分業で器を作った。


㉟필공(筆工)…

筆を作る人。필장(筆匠)とも呼ばれた。


㊱각수(刻手)…

高麗時代に発明された金属活字は、朝鮮時代に入っても何度も鋳造され、活発に使用された。しかし、金属活字は一度に10数万字以上を鋳造しなければならず、経済的負担がかなり大きく、国から頒布される本を造る時に主に使用された。民間や寺院では相変わらず木版に文字を彫って刷り出す伝統方式で本を作った。この時、木版に文字を彫る人を각수(刻手)といって、각자장(刻字匠)、각공(刻工)、각원(刻員)とも呼ばれた。옥(玉)や비석(碑石)などに文字や紋様を彫る人も각수と言った。

朝鮮時代の각수は民間人よりも僧略が多かった。寺院では仏経をよく作ったが、新しく刷り出す개판(改版)事業を持続的に行なってきたからだ。

 

㊲지장(紙匠)…

紙を作る人。

 

㊳시계 제작자

 

 

 

 

 

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読書記録:朝鮮雑job史 _ 芸術の世界

㉑기객(棋客)…囲碁や将棋をする人。

プロ囲碁棋士

 

㉒농후자(弄猴者)…

路上で行う猿まわし公演者。猿の재주부리기公演を후희(猴戱)と言った。

 

㉓재담꾼(才談꾼)…

재담(こっけい話)を面白おかしく話す人。漫才師。スタンディングコメディアン。

 

㉔전기수…

小説を読んでくれる男。

 

㉕환술사…

マジシャン。朝鮮時代、マジックを환술(幻術)、マジック公演を환희(幻戯)、マジシャンを환술사(幻術士)といった。

 

㉖가객(歌客)…

伝統歌楽である歌曲・歌詞・時調を上手に歌ったり、歌を作ったりする音楽家。朝鮮時代の歌手。

 

㉗사당패…

旅芝居劇団。旅をしながら、歌や踊り、雑技などを披露して金を貰った流浪劇団の一つ。

 

㉘관현맹(管絃盲)…

楽器を演奏する盲人。관현맹인(管絃盲人)、고악(瞽樂)、고사(瞽師)とも呼ばれた。管絃盲は、宮中で大妃や王妃などのために催した내연(内宴)をはじめとするいろいろな行事で音楽を演奏したり、キーセンの歌舞の伴奏をしたりした。男女が直接会話できないほど男女が厳しく区別されていた時代に、王宮に男性が入ることは想像もできないことだった。しかし、女性の楽士だけでは必要な楽器をちゃんと演奏するのが難しかったため、男性の盲人楽士たちを動員した。良い働き口を作ってやる一種の福祉政策でもあった。


㉙해금 연주가…

해금(奚琴)は代表的な朝鮮時代の楽器のうちの一つであり、現在は해금(奚琴)と呼ばれているが、혜금(嵆琴)、깡깡이とも呼ばれた。もともとは、中国の요하(遼河)上流に住む해족(奚族)の楽器だったが高麗時代に朝鮮に伝わった。

유우춘(柳遇春)は、용호영(龍虎営)に勤務する下級武官であり、朝鮮で最も有名な해금の演奏家だった。유우춘の演奏は日に日に上手くなっていったが、収入は増えず、世の中の人々は彼の音楽をちゃんと理解出来なかった。一方で、大衆性を追求した微賤のヘグム演奏家たちの演奏は人気を集めた。彼らは蚊の鳴く声や蝿の音などのさまざまなモノマネを体の動きも合わせてヘグムで演奏した。

ヘグム演奏家が路上で公演すると人々が集まった。公演が終わるとついてくる者もいて、一時代のスターであり、ファンクラブもあった。一日の稼ぎも少なくなかった。富裕層の宴会に呼ばれる演奏家はもっと多くのお金を稼いだ。

유우춘は最高のヘグム演奏家として認められていたが、芸術性と大衆性の間でいつも悩んでいた。音楽性を追求すると収入が減り、大衆性を追求すると浅はかだという批判がついてまわった。経済的な問題を前に芸術性に悩む職業演奏家の象徴だ。

 

 

 

 

 

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読書記録:朝鮮雑job史 _ 極限職業

⑧회자수…

死刑執行者。망나니とも呼んだ。時代劇の망나니は刃が広くて、柄が短い刃物を使っているが、これでは人の首を切りづらく、野菜を切るのに適した刃物なので、時代劇の망나니はいくらか虚構である。

 

⑨땅꾼…

蛇を捕って売る人。

 

⑩보장사(報状使)…

고을(朝鮮王朝時代, 州·府·郡·県の総称)と고을を走って行き来して公文を伝達する人。貧しい아전(朝鮮王朝時代、地方官衙の吏属)が担ったり、百姓が順番に担ったりした。

 

⑪약초꾼…

山の中を歩き回って薬草を取る人。

 

⑫착호갑사(捉虎甲士)…

朝鮮時代に虎を捕まえるために選抜・配置された軍人部隊。

 

⑬백정(白丁)…

牛肉供給者。屠殺業者。반촌、ソウル内24ヶ所、全国約300고을には官庁で認められた푸줏간(肉屋、현방)があり、そこでは牛を捕まえて売ることができるが、ここに백정が所属して働いていた。牛を捕まえたら税金に該当する현방속(懸房贖)を納付し、肉を売るときは漢城府や官庁で許可する印を貼った。백정にもいくつか種類があって、骨や肉をはがす거골장(去骨匠)、皮(革)を除去する거모장(去毛匠)、皮(革)で物を作る피장(皮匠)がいた。

 

⑭월천꾼(越川軍)…

섭수꾼(渉水軍)ともいう。旅人わ背中におぶったり、肩車して、小川を渡った後、労賃を貰った。輿や重い荷物も運んだ。普段は、なりわいに従事し、夏に小川の水が増えた時や、氷が固く張る前や溶け始めたかきいれどきに主に働いた。


⑮심마니…

深い山に自生する朝鮮人参採取を業とする人。


⑯산척(山尺)…

朝鮮時代に重要視された野生動物はキジ(종묘の제사に供えるため)と虎(虎に襲われて亡くなる人が多かったため)だった。

キジを捕まえる時は、응사(鷹師)という鷹匠を動員したが、新鮮な肉を得るために生きたまま捕まえなければいけない時は、망패(網婢)に頼んだ。망패は網を使って、獣を捕獲する生捕専門の狩人だ。망패は獣が通る道に網を仕掛けて、キジや鹿を無傷で捕まえた。응사や망패と異なり、民家で借りを生業とする人々を산척(山尺)と言った。임진왜란以後、銃が与えられ、산척は弓矢の代わりに銃を使った。

 

⑰매골승(埋骨僧)…

朝鮮時代、戦争や飢饉により道で亡くなった人を自ら収拾し、主に火葬し、風習に合わせて埋葬した。朝鮮が建国され、매골승は활인원(活人院)所属の官員になった。활인원は、東大門の外と西大門の外の2ヶ所があり、人々を助けるという趣旨に合わせて、さまざまな福祉事業を展開した。


⑱똥장수…

糞尿処理業者。


⑲금화군(禁火軍)…

別名、멸화군(滅火軍)。금화도감(禁火都監)に配属された消防士。


⑳떼꾼…

떼꾼の仕事は木を切るところから始まる。切ってきた丸太を結んで、筏を作り、流れる水を利用して、떼(筏)を運搬する仕事をする人。

 

 

 

 

 

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読書記録:朝鮮雑job史 _ 働く女性たち

삯바느질(仕立て賃をもらってする針仕事)…

貧しい両班の女性の仕事。침가という밗바느질집があった。官庁では、官庁所属の女婢やキーセンに針仕事を頼んではいけなかった。침비や침가に頼まなければならなかった。침비は침선비(針線婢)、針と糸を扱う女婢のことで、침모(針母)とも呼んだ。침선비は本来、王室の衣服を受け持つ상의원(尚衣院)所属の奴婢。

 

②수모(花嫁を世話する介添え)…

수모は수식모(首飾母)の略。ウリマルで머리 어멈、現在のヘアデザイナー。化粧と衣装も担当したので、メイクアップアーティストやスタイリストも兼ねた。婚礼があると新婦が着る服や装飾品を借りてきて、結婚式が円滑に進むようにウエディングプランナーの役割もした。

 

③염모(染母)…

내섬시(内贍寺: 朝鮮王朝時代、各宮家への献上物および二品以上の官員に賜わる酒や日本人・女真族に給する食物・綿布などをつかさどった官衙)に所属し、服地を染める仕事をした人。染色は大変な仕事だが、女性が着る服を男性が触ってはいけなかったので、女性が担った。男女の服を同じ場所で保管することさえ避けられた時代だ。염모には、수공포(手工布)という工賃が支給された。

 

④방직기(房直妓)…

キーセンが担ったら방직기、女婢が担ったら방직비。BOQ(独身将校宿所)の提供から、炊事、補給、整備、看護など、さまざまな業務を滞りなく速やかに処理してくれる軍生活の家事手伝いだった。

 

⑤매분구(売粉嫗)…

化粧品販売員(業者)。売場職員と訪問販売員が区分されることもあるが、同一の場合もある。

 

⑥잠녀…

海女。

 

⑦채소전…

野菜を売る店。漢陽市場の中で女性が運営権を持っている数少ない店の一つ。

 

 

 

 

 

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